いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

本契約に困る!<下>(新築編)<値引き交渉の果てに...ついに決着!>

本契約に困る!<中>(新築編)の続きになります。

 

本契約の場所は、僕らが建てたいと思っている商品ルーカス。雰囲気に飲まれながら、僕らの要望を思いっきり反映した設計図が提出された。もうすぐに契約したいと思うような高揚感の中で、どきどきの見積もり。見積もりはすべてを覆す可能性がある。

 

困ったことがあった。

 

設計図のあとは、見積もり。これも破壊力が大きかった。大きな値段の変更になりそうなオプションはほとんど網羅しているとはいえ、予算から500万円ほどはみ出ている。そう、一条さんの見積もりはなんとか予算内だったのだから、三井さんだとはみ出る。

 

「この見積もりから、ご紹介いただいたということもあって、これだけ値段を下げさせていただきます」

 

と紳士のSさんが電卓で示してくれた。思っていたより値引きが少ない。どうしよう。

 

「思ったより紹介値引きって少ないんですね」

 

「昔は、もっと多かったみたいなんですが、最近は、紹介お値引きはここが限度なんです」

 

「全体で、500万円ほど超えちゃってるので、500万円お値引きって無理ですか?」

 

と無理を承知で聞いてみた。

 

「いやあ、さすがに500万円はきついです。お伺いしていた予算は超えられていると思いましたので、ここに採用予定のオプション一覧を持ってきました。値段も書いてあるので、オプションを削っていただいて、予算内にしてみてはいかがでしょうか?」

 

オプションは削りたくないし、お値引きはして欲しい、という最悪な客が僕だった。それに、この日、土地の値引きがあったので、土地を含めれば150万円ほど予算にはゆとりができている。つまり、三井さんの500万円オーバーは、全体予算で考えれば、350万円オーバーということになる。もう一声だ。300万円の値引きを最初から目指していたにもかかわらず、350万円の値引きを持ちかけた。

 

紳士Sさんは上司に電話しに行った。

 

「350万円は無理だろうけど、300万円はいけると思う。そこまで無茶でもないし、500万円まけろっていってるわけでもないから、きっと頑張ってくれるはず!」

 

妙に、僕は自信があった。ほんとは自信なんてないんだけれども、こういうときには、自信を嘘でもいいから作って、自分を騙すようにして自信につつまれた方がいい。自己肯定感だけ強い人に流されてしまうことがある。困ったときには、嘘でもいいから自己肯定感たっぷりになった方がいい。

 

紳士Sさんが上司の電話から戻ってきた。

 

「紹介以外の割引は、僕様の条件だと原則できないのですが、工期も調整いただいているというのもありますから、30万円でしたらお値引きできます。ご希望に添えなくて申し訳ありません」

 

30万円という額は、何千万という金額を見ているときには、些細すぎる額である。しかし、考えてみて欲しい、30万円は30万円だ。高額だ。それがいま下がった。やった、やったぞ、しかし、目標の300万円にはまだ少しだけ届かない。

 

「もう少しで、キリのいい、300万円ですね」

 

「分かりました。私の独断で、キリよくします!」

 

そうして、僕はまんまと300万円割引へとたどり着いた。土地と合わせて450万円安くなった。当初の予算からは少し出てしまったけれども、契約の段階での金額としては想定内だった。50万円だって大金なのに、土地で150万円安くしてもらったり、三井さんからは300万円安くしてもらったりしていたら、50万円はなんでもないような気もした。金銭感覚が狂うってこういうことだと思う。

 

そうして、僕らは三井ホームさんと契約することになった。一条工務店さんにお断りの連絡をするのはちょっと気まずかったけれども、その日のうちに連絡した。仮契約までしていたから、最初は一条工務店さんで建てるつもりだったのだけれども、設計図が本契約してからじゃないと出てこないというのは、僕らのようなイレギュラーな家族構成にはちょっと合わなかったんだと思う。

 

三井さんの決め手は、商品コンセプトもいいし、契約前の設計図が要望をきちんと汲んでくれるところ、小さな部屋がたくさん欲しい僕らにとって全館空調はベストな空調というのもあったし、住宅設備もオプションではあるけれども、キッチンハウスさんが選べたこと、それにそもそも高気密高断熱というのもある。一条さんの窓サッシの「性能。」は確かに素晴らしいけれど、三井さんの場合は、寒冷地か温暖地域かで窓サッシの標準使用を変えている。その理由もわかりやすい。過剰設備である必要もないと思った。

 

お値段は高いとはいえ、値引きや、キッチンハウスさんのキッチンを採用したことなどを考えれば、まあ、高いと言っても、そもそも高額な注文住宅、100万円、200万円の差で安い方にするという決め方はなかなかしないものだと思った。これが1000万円くらい変わるなら、もちろん、話は別だけれども。

 

このような感じで、僕らは三井ホームさんで家を建てることになりました。