いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

親心に困る!<中>(障害児篇)<加配制度と統合保育は誰のためにあるのだろう>

親心に困る!<上>(障害児篇)の続きです。

 

障害を認めることで使える制度も増えてくる。名古屋市のように制度があっても対応がいい加減な場所だと大変かもしれないけれども、それでも、制度があるというのは大きなことだと思う。

 

障害を認めることの困難さをどう乗り越えたらいいのだろうか。

 

困ったことがあった。

 

最近になって、こういった軽度の障害の件数が増えているという話があるけれども、それは単に、子供の障害を認めたくない! という親が減ってきたというのもあるかもしれないし、保育園や小学校などの取り組みが軽度の障害について考えるようになってきたというのもあるかもしれない。

 

親が子の障害を認めないという問題は、そもそも発達障害や軽度知的障害、そして自閉症などについて知らないということもあるだろう。学習障害などはただただ勉強ができないだけと思われるかもしれない。長女の保育園の友達にも発達障害だなあと思える子がいるけれども、それとなくご両親に発達障害の話をしても「そういうのがあるんですねえ」という感じで、「長女ちゃんに障害があるなんて分からないものですね」という話で終わってしまう。

 

保育士の義妹は、こういう保護者に対してなんて言えばいいのだろうと、日々悩んでいるんだろう。言いにくいことだし、そもそもの認識がなければ伝わらないことでもある。いくらNHKなどで発達障害や軽度障害のことを取り上げても、関心のない人はそもそもそんな番組を見ない。

 

長女が通う保育園は、名古屋市の保育園にしては珍しく障害児を18時まで預かってくれる。他の保育園だと15時30分までしか預かれないと言われていた。理由は、加配担当が15時30分までしかいないから、というものだった。これはこれで問題なんだけれども、預かり時間は園長が決めることができるという規則をもとに、障害者差別解消法に抵触していても、社会福祉協議会や市役所はノータッチだ。何度も書いたことだから、もういい。障害児がいる人に名古屋市に住むことは勧めないとしか言えない。とくに外から来る人が少ない地域は避けるべきだろう。

 

加配制度は、障害がある子供のために加配保育士あるいは加配児童担当者がついてくれる制度だ。自治体によるけれども、名古屋の場合は、1クラス3人の加配児童に対して1人の加配担当がいる。クラスに1人しか加配児童がいなくても加配担当は1人つく。そして名古屋は統合保育を掲げているので、加配担当は加配児童だけを見るのではなく、クラス全体のフォローをすることになっている。

 

去年、長女がこの保育園に通い始めた頃、加配制度がどのように運用されているのかまったく明らかにされなかったのでいろいろと聞いていた。加配担当の方に会うこともできないし、名前も勤務時間も当初は教えてもらえなかった。「名古屋市は統合保育なので、加配担当はクラス全体のフォローになるので、長女ちゃんだけの先生ではありません」ということを繰り返しアナウンスされた。長女が困らずに過ごせているのであれば、それはそれでいいのだけれども、言葉が理解できない長女を言葉で叱りつける場面や、おもらしやお迎え時におむつがパンパンだったりすること、パニックや癇癪、夜驚の頻発に、長女の保育園での加配運用はうまくいっていない気がしていた。

 

抜き打ちというわけではないのだけれども、長女の療育で早めのお迎えになったときや、次女や三女の体調で呼び出されたときなどに長女のクラスの様子を見てみると、他のクラスに1人でいたり、加配担当は、長女のようにちょっと難しい子の癇癪につきっきりだったりしていた。その子の癇癪はなかなかで、その子の癇癪に加配担当がつきっきりになっているのは何度も見ていた。ちなみに、違うクラスに1人だけ行かせることはやっちゃいけないことらしい。指摘してからはやらなくなった。

 

長女のクラスに何人加配児童がいるのか聞いてみた。なかなか教えてもらえなかった。プライバシーの問題があるということだった。しかし、保育園と揉めに揉めて、そのあとに教えてもらった。長女のクラスは、長女だけが加配児童だということだった。いつも癇癪を起こしている子は、加配申請されていないのだろう。もちろん、その子が加配申請されていたとしても、加配担当が増えるわけじゃないから加配の対応は変わらないことでもある。

 

今年に入ってから、長女のクラスに加配児童が2人入った。長女を入れて3人だ。その中では長女は小さい頃からケアを受けていたということもあって、イベントで見る限りは長女はおとなしくしている。他の2人の子はお祭りや運動会でみんなと同じことをやることが難しいらしく、泣き叫んでいる。まるで晒し者のようだ。この保育園では、「子供はみな一緒」という大方針でいるので、嫌がる障害児に無理やりみんなと一緒のことをやらせることが平等だと思っている。こればかりは何度話しても理解してもらえなかった。障害者差別解消法について僕は何度も園長に説明している。

 

長女のクラスは、加配児童が3人になった。加配担当は変わらずに1人ということになっている。しかし、イベントを見ても明らかなように、もう1人、ケアが必要な子がいる。その子は昨年から長女と同じクラスの子だ。加配申請がされていない。こうなってくると、ちょっと難しい。

 

親心に困る!<下>(障害児篇)に続きます。