いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

空気清浄機に困る!(主夫篇)<評判の悪い喫煙の話>

「室内喫煙のための空気清浄機」

 

困ったことがあった。

 

僕は喫煙者だ。

 

ちょっと前までは喫煙者というだけでボコボコにされた気がするけれど、最近は、そんなにボコボコにされないような気がするのはなんでだろう?

 

とはいえ、子供が生まれてから、というか、妻が妊娠してから、僕がタバコをやめないことについて、周囲からもよく注意をされた。もちろん、妊婦の前でプカプカ吸わないし、子供の前でも吸わない。昭和のお父さんたちのように、布団の上部に灰皿を置いて、そこで子供と一緒に寝るみたいなことは絶対にしない。

 

僕が1歳くらいのときの写真がある。父がくわえタバコのまま僕のおむつを交換している。僕のすぐ横には灰皿がある。ちなみに、そのときの灰皿は、いま僕の部屋にある。こんな育児の景色を晒したら、今だとボコボコにされるだろう。

 

喫煙者はどんな対策をしても非難される。

 

そんな非難されることを書いてしまうわけなんです。

 

アメリカにいるときにタバコをやめようと思って、渡米1日目でやめた。タバコなんてやめてしまえばやめることができるものだ。

 

しかし、そうはいっても、日々の習慣が断絶してしまうと、それを埋め合わせるために何が別のことをしてしまう。甘いものを食べたり、酒を飲んでしまったり、人それぞれだろう。

 

僕の場合は、家事に熱中することだった。

 

家事に熱中するのは悪いことじゃないように思えるかもしれない。ほどほどなら悪いことじゃないけれども、熱中というのはだいたい良くないこともある。

 

完璧な家事がしたくなる。全部が僕の思うようにならないと気が済まないような感じなる。物が少しでもズレていると気になるし、決まった時間にやれないとストレスになる。妻が家事に介入して生じるズレがいやだった。

 

ニコチン中毒というのもあるかもしれないけれど、タバコをやめてから家事の狂いに苛立つようになった。おおらかさがなくなった。

 

タバコとは何よりも、無駄であること。その無駄を許容することが僕のゆとりになっていた。タバコのような百害あって一理なしみたいなものを受け入れているのであれば、完璧じゃないことが好きになるし、合理的でないことを楽しめるというものだろう。

 

僕にとって、タバコは非合理の象徴でもあった。

 

アメリカでは電子タバコにした。ニコチン入りだ。

 

帰国すると、ニコチン入りの電子タバコがなかった。これを機に電子タバコもやめてしまおうかと思った。そしてやめた。

 

でもしばらくすると、また合理主義者みたいになってしまって、少しの無駄も許せなくなってしまった。心の狭い人間だ。妻のすすめもあって、タバコを再開するようになった。そしてまたゆとりが生まれた。まるでタバコに支配されているような感じ。

 

しかし、タバコというのは、人にも迷惑をかけてしまう。妻にしても、子供にしても、煙がいやだろうというのがあって、ベランダで吸ったりしていた。UR住宅ではベランダでの喫煙が認められている。認められているからといって、四六時中吸うわけでもない。食後の一服とか家事の合間の一服とか、仕事の一服みたいな感じで、日に10本も吸わなかった。

 

わざわざベランダに出てタバコを吸うのも、それはそれで面倒というのもある。

 

名古屋に引っ越して、そこもURだったということもあって、ベランダでの喫煙は禁止されていないから、たまに吸っていた。すると、上の人が大騒ぎで、ベランダに僕が出ると、上から消臭剤や殺虫剤をばら撒かれるようになった。

 

そういえば、名古屋に引っ越してきて不思議だったのが、建物の入口でタバコを吸っている人が多かったことだった。きっとベランダで吸うと、やべえ反応をされることが多いからなんだと、後で思った。

 

アメリカでは室内の喫煙が禁止されていることもあって、アメリカの喫煙者はアパートなどの入り口で吸っている人が多かった。もちろん、ベランダでも吸っている人は多い。その代わり、入口やベランダで吸っている人に文句を言う人はあまりいなかった。日本だと、喫煙者はどこでも攻撃対象にされる。まあ、非喫煙者からすれば吸わなきゃいいと思うのだから、それは仕方ない。暗くて深い溝があるんだろう。

 

ベランダでの喫煙はちょっとリスクが伴ってきた。禁止されていないからということで、上の人が露骨に嫌がっているというか、ちょっとやばい感じになってしまっているのにも関わらず、僕が吸い続けてしまったら、トラブルが起こるのは必須だと思った。小さい子供が3人いるのだから、何をするのか分からない隣人を刺激するのはいいやり方には思えなかった。

 

かといって、妻と子供たちの前で吸うのもあれだ。

 

僕の部屋で吸えるようにしようと思った。空気清浄機を導入すればいけるんじゃないかと思った。

 

普通の空気清浄機じゃ、そんなに期待できないと思ったけれど、喫煙所にあるような装置は置くことができない。うちにある空気清浄機はダイキンのものだけれども、どちらかというと加湿器として買ったものだった。もっと空気清浄に特化したものが欲しいと思った。

 

いろいろと調べて、cadoというメーカーにたどり着いた。これにしようと思った。僕の部屋は6畳ほどだ。そこに、cadoのLEAF320iを導入することにした。26畳用だ。

 

6畳の部屋に26畳用の空気清浄機!

 

これさえ入れれば、もう万全だと思った。そして、買った。実際に運用してみると、これがすごい。

 

僕の部屋でタバコを吸っても、他の部屋でタバコ臭いと思う人はいない。ちなみに、僕の友人で、大の嫌煙家がうちに遊びにきたことがあった。彼は、僕の部屋に入るまでタバコのにおいがしなかったようだ。しかし、嫌煙家らしく、僕の部屋に入ると「やっぱり少しタバコの臭いがしますね」と言っていた。喫煙部屋だからそれはそうだろうと思う。

 

わざわざ部屋に入らないと分からないくらいのタバコの臭いだ。空気清浄機はすごい。フィルター交換は必須だけれども、そしてフィルターは8000円くらいしてしまうけれども、隣人トラブルもふくめて、妻や子供たちにタバコ臭いと思われないのだから、年間8000円は愛煙家としては安く思える。

 

タバコはほんと無駄だ。健康にも良くないし、お金もかかるし、そのための場所までいる。こんなに無駄なものはない。ただ、僕はその無駄によって得ているものがある。ほっておくとすぐに合理性に偏ってしまう僕みたいな人間は、タバコに伴う無駄がないと生きづらくてしょうがない。

 

次に建てるうちでは、空気清浄機をもう一台増やそうかと思っている。次はLEAF720という65畳用を入れてみようかなどと、無駄なことばかり考えている。LEAF320iと合わせて91畳だ。

 

タバコやめるのが一番ではあります。