いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

子供部屋に困る!(新築篇)<子供部屋が夢だったこと>

「子供1人に1部屋与えたい!」

 

困ったことがあった。

 

土地が決まった。土地が決まるということは、どのくらいの建物が建てられるかも決まったということになる。土地の広さもそうだけれども、建蔽率容積率などで建てられる家の条件も変わってくるだろう。

 

僕らは当初35坪くらいの家を建てるつもりでいた。坪数でピンとくるような修行を経ていないので、35坪というのは大体の勘だった。子どもが3人いるから狭くても個室を3部屋作ってあげたい。自分の部屋だけでなく子ども部屋すらないまま18歳まで過ごしたということもあって、子供に部屋を与えたい願望が強くある。

 

CMなんかで、「可能性は無限大」みたいにして、ネットで世界と繋がって活躍しようみたいなものを見ると、だいたい、自分の部屋を持っている子どもだったりする。何もないところから始まったみたいな話って、だいたい、自分の部屋みたいなところがあることから始まっている気がする。「羨ましきかな、城壁の高きをはじめから持つ者は」みたいな言葉は、ローマ古典にすら書いてある。Appleというか、スティーブさんが語られる伝説もはじめはガレージという自分で好きにできる場所があるのが前提だ。

 

自分の部屋あるいは子供部屋がないのはとてもつらいことだと僕は思っている。フランスの法律では、子どもに部屋を与えないのは法律違反になるという話を聞いた。子供の部屋代は補助されるらしい。

 

子供部屋や自分の部屋がないというのはどういうことかというと、わかりやすく言えば宿題すらできないということだ。もちろん、思春期のいろいろでも困難を覚える。小学校や中学校では宿題をやらないというのを押し通していけたけれど、高校のときに宿題やレポートを出さないことが問題になった。担任に呼ばれて、家が狭いので宿題はできないことを説明し、また、宿題を課す方がおかしいみたいなことを言った。すると担任から、間取り図を書くように言われた。間取り図を書くと、この間取りが本当か親に確認すると言われた。電話が終わると、担任から同情された。僕はとても恥ずかしい気持ちになった。僕は宿題をしなくていいことになった。正確には、できる限りは図書館などでやるように言われて、できない場合はお咎めなしという特別扱いだ。

 

こういう特別扱いは、僕のためになってない。当たり前だ。ただただ勉学する機会が毎日、毎月、毎年、そして小学校から家を出るまで、少しずつ奪われていただけだ。学校の図書館だけじゃなく、公立の図書館(自転車で30分かかる)の自習室も使った。公立図書館の自習室は試験勉強や受験勉強をしちゃいけないという張り紙があった。僕はルールを破るのが嫌いなので、試験勉強や受験勉強はしなかった。数学であればユークリッド原論を読んでみたり、歴史であれば史記とかを読んでいた。

 

家に個室があれば、好きな勉強も好きでもない勉強ももっとできたろう。実際に、18歳で家を出て、アルバイトばかりで疲れ果てていたけれども、寝ずに勉強ばかりしていたのがとても楽しい思い出だ。18歳から25歳までの勉強でいまも仕事しているような気がする。

 

子供たちに部屋を与えたところで、ただゴロゴロしているだけかもしれないし、引きこもりになってしまうかもしれない。ただゴロゴロでも引きこもりでも選択肢があるのだから、それだけで素晴らしいと僕は思う。

 

子供にそれぞれ1部屋を与えるのは、決定事項だ。これだけは譲れない。

 

そして、僕も1部屋欲しい。書斎兼書庫が欲しい。この溢れた本をどうにかしたい。レンタル倉庫はもういやだ。離婚のときに全て売ってしまおうと思った本たちだけれども、一緒に危機を乗り越えたこいつらとはもう離れないと誓っていた。

 

妻も小さくてもいいから書斎が欲しいということだった。寝室の一角でもいいらしい。

 

我が家は個人の部屋が5部屋必要になった。寝室と妻の書斎を別にするなら6部屋だ。

 

そして、キッチン、ダイニングにリビング、トイレは二つ、年の近い子どもたちのことを考えると、洗面所も二つ必要だろう。ファミリークローゼットも欲しいし、シューズクローゼットも欲しい。ランドリースペースも部屋干しにしたいから必要だ。風呂ももちろん必要だ。

 

35坪じゃ無理だった。

 

でも大丈夫。決めた土地は50坪ある。駐車場スペースを十分にとっても余裕だ。そうなると話は早い。家を大きくすればいいということになった。

 

試しに40坪にしてみよう。42坪だとどうだろう、45坪ならもっといける。残念なことがあった。家の坪数を大きくすればするほど、建設費用も高くなるということだ。

 

一条工務店では、グランスマートで検討していた。坪72万くらいだったと思う。この坪単価は時期やキャンペーンなどで変化するから、同じグランスマートでも72万より安い人もいれば高い人もいるだろう。それでも、家の坪数を増やせば高くなるのは変わらない。

 

坪単価72万円で35坪なら本体価格は税抜きで2520万円。これに税金やら諸費用やらオプションやら加われば、すぐに3500万円くらいになる。当初の予算は家には3500万円だった。ギリギリだ。そして坪数を増やすと、72万円と消費税分が上がっていく。80万円くらい上がるわけだ。5坪増やして、400万円。10坪増やせば800万円。

 

一条工務店さんは、コスパ重視の人たちに愛されている。性能はもちろんだし、標準設備も充実、つまりオプションの必要があまりないということになる。分かりやすい例が、窓サッシだろう。一条オリジナルの窓サッシは、トリプルガラスにクリプトンガス入りの樹脂サッシだ。三井ホームでトリプル、クリプトン、樹脂サッシにしたら100万円くらいかかってしまうかもしれない。100万円なら1坪以上大きくできる。そんな充実の一条さんの坪単価は安いわけじゃないけど、性能を考えれば高いわけじゃない。性能で考えたら安いと思える。

 

性能からすれば、安いとは思っても、大きい家にしたら、5坪増やせば400万円、10坪増やせば800万円増えてしまう。家だけで4000万円とか4500万円になってしまう。これだけは仕方ない。僕らはまだブラックホールを好きなように操れない。情報だけは放出だか反射するとか言われても情報だけ自由になる空間に僕は存在できない。

 

坪数を増やせばいいというものじゃないけど、40坪は越えないと僕らの要望は叶いそうもない。43坪とか必要かもしれない。

 

土地を買ったときに、僕らは予算を見直した。40坪以上の家を建てる予算にした。