いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

フライパンに困る!(ボストン篇)<ALL-Cladのフライパンを買う>

「フライパンはどうしたらいいのだろう?」(長女2歳3ヶ月、双子2ヶ月)

 

困ったことがあった。

 

ボストンのキッチンは、電気コンロだった。電気コンロというと、僕が20歳くらいの頃には良く見かけたもので、友人アパートにあったりして、その使いにくさをネタに盛り上がったことなんかを思いだす。電気コンロだとタバコに火をつけにくいとかそんな話だった。

 

アメリカは物持ちが良いのか、この電気コンロのアパートが多かった。ボロいアパートだけそうなのかどうかは知らない。不動産屋に案内されていったアパートはガスコンロが多かったから、もしかしたら、僕の友人のボロアパート仲間だけが電気コンロだったのかもしれない。ちなみに、ガスコンロのある部屋の一つは、ガス漏れのにおいがした。

 

電気コロンも使い慣れてくればそんなに不便じゃない。ただ不便を感じたのは、熱が局所的になるからか、薄いフライパン、とくにテフロン加工のフライパンを使っていると、ベコベコになるのが早い気がした。

 

テフロン加工というのは、デュポン社の技術らしいので、デュポン社のやつじゃないやつはテフロン加工とは言わないらしいけれども、テフロン加工と言った方が通じやすいのでテフロン加工ということにする。

 

テフロン加工のフライパンは便利だ。焦げ付きもあまりないし、使いやすい。これは後で知ったのだけれども、テフロン加工を長持ちさせるためには、急に冷やしたり、洗剤で力強く洗わない方がいいそうだ。というより、熱くなったフライパンを急に冷やすのはどんなものでもダメらしい。金属なんだからそうだろう。

 

しかし、熱されたままのフライパンをそのまま置いていたら、ふとした時に触ってしまって火傷をしてしまう可能性もある。

 

飲食店で働いていたときに最初に教えられたのが、使用した後のフライパンと刃物の処理についてだった。刃物はきちんと元に戻すこと。フライパンは使用後に冷ますことだった。

 

フライパンを冷ますというのは、きっと、テフロン加工向きじゃないし、金属が薄いフライパンでそれをやると、すぐにベコベコになってしまう。それに、電気コンロはスイッチを切ったあともしばらく熱いので使い終わったフライパンをそこに置いておくわけにもいかない。

 

では、どうすればいいのだろうか。

 

分厚いフライパンを使えばいい。

 

鉄のフライパンがいいのかと思って調べてみると、鉄のフライパンを育てるのは大変そうだった。焼きを入れて、油を塗って、大切に育てていくと、かっこいい鉄のフライパンができる。憧れるけれども、僕には無理そうだ。昔、鉄の中華鍋を洗剤で洗って怒られたことがあった。

 

僕は洗剤を使いたい。

 

ステンレスのフライパンにすることにした。これも種類がたくさんある。

 

アメリカに住んでいる人なら聞いたことがあるブランドがある。

 

ALL-Cladというフライパンや鍋のブランドは有名だ。値段も高い。そして重い。種類にもよるけれども、ステンレスやら銅やらを何層にもして作っている。丈夫だし、かっこいい。

 

テフロンのフライパンがボロボロになってきたなあと思った時期は、帰国の数ヶ月前だったから買い替えるつもりもなかった。

 

しかし、このALL-Clad(オールクラッド)はどうだろう。調べれば調べるほど欲しくなる。しかも、日本で買うととても高い。アメリカじゃないと買う気がしない値段だ。日本で買うと場所にもよるけど、フライパン一つで30000円とかするらしい。アメリカで買えば、8000円くらいだった。

 

アメリカの自分用のお土産に買おうかと迷い出した。

 

日本からは撤退してしまったようだけれども、Williams Sonoma(ウィリアムズ・ソノマ)という台所用品を扱うお店がある。ここのお店は行くだけでも面白いみたい。でも、なによりも、ウィリアムズ・ソノマでいいのが、オールクラッドがセールになるということだった。

 

ソノマのオンラインのセールにはちょっとクセがある。そのときは1ヶ月くらい定点観測してWebページをチェックしていたから気がついたのだけれど、毎週木曜日くらいから週末にセールになる。セールの割引率はあまり変わらない。30%割引くらいのセールだ。買うなら、セールになったときがいい。

 

そして、僕はオールクラッドのフライパンと、深型のフライパン、そして両手鍋と片手鍋、それに蓋を三つ買った。確か350ドルくらいだった。ついでに、スキャンパンのフライパンも二つ買った。これもセールだった。妻はステンレス鍋の余熱時間が待てないらしいので、スキャンパンにした。スキャンパンは使いやすい。便利だ。今も妻はスキャンパンしか使わない。

 

オールクラッドのステンレス製品は、とにかく美しい。肉も美味しく焼けてる気がするし、鍋の保温性は抜群だ。夕方4時くらいに作った鍋が8時くらいでも生暖かい。重いのが難点であるけど、愛でるには良い重量感だ。

 

テフロンのフライパンに慣れている人は、スキャンパンのフライパンがいいと思う。テフロンのように油を敷かなくてもこびりつかない。オールクラッドは、余熱をしっかりやって、油を敷いてから焼かないとこびりつく。

 

どちらも二年以上使っている。使いやすいスキャンパンはやや汚くなってきた。オールクラッドはますます美しくなっている。そろそろ僕は鉄鍋を育てたくなっている。