「40Aまでしか上げられない4LDK」
困ったことがあった。
我が家は夏場によくブレーカーが落ちる。あれこれ同時に使うからなんだけれども、夏場にクーラーを使用しているときには、ついつい我が家の配電盤についている40A数字を忘れてしまって、電気湯沸かし器やらドライヤーやら洗濯機やら移動式エアコンやらをつけてしまう。
40Aで落ちるのはだいたい決まっている。
エアコンを2台つける。子供部屋で寝ている双子のために1台つけて。リビングのエアコンをつける。妻と子供がご飯を食べたりしているからつけている。そして洗濯機を回している。他にはテレビもついている。そこに僕が仕事部屋の移動式エアコンをつける。きっとこのくらいでギリギリだ。
このとき、妻が電気湯沸かし器を付けたら、ブレーカーが落ちる。ドライヤーでも落ちる。
そのため我が家では、夏場に僕が仕事部屋に行っているときには、電気湯沸かし器をつかわないことになっている。ガスコンロでお湯を沸かしている。また、ドライヤーを使用しているときにも、ガスコンロでお湯を沸かす。妻がドライヤーをつかっているときには、移動式エアコンをつけてはならない。
とても不便だ。
40Aは、2LDKだったり、昔のようにあまり家電を使用していなかったときであれば、4LDKでも問題なかったかもしれない。しかし、このご時世、節電とかなんとかと言われても、エアコンはつけるし、便利な電気湯沸かし器も使うし、乾燥機だって回す。髪を乾かすにもドライヤーを使うだろうし、家族が集まる夕方から夜にかけては電気をたくさん使うことになる。
名古屋に引っ越してくる前は、3LDKの部屋だった。子供部屋には双子のベッドと僕らの荷物、もう一つの部屋には妻と僕の仕事部屋の書斎、もう一つは寝室。これで3LDK。子供が3人もいるとどうしても3LDK以上の間取りが欲しくなる。僕が子供の頃は4人家族で1DKだったけれども。
そんな東京の3LDKは、50Aまで上げてくれた。工事の人に、50A必要ですか？ と聞かれたので、うちは湯沸かし器も電気を使いますし、乾燥機もあるし、乳児が二人いるので夏場や冬場はエアコンがつきっぱなしになるんですよね。とかいうと、「湯沸かし器は電気くいますからねえ」と言って、50Aにしてくれた。
名古屋に引っ越してきたら、部屋も一つ増えたということもあって、当然、50Aにするつもりだった。
「50Aに変えてもらえますか？
「50Aも必要ですか？」
と同じようなやりとりがあったので説明した。
「でも、ここ40Aまでしか上げられないんですよ、湯沸かし器は電気を食うので、使わない方がいいですよ」
電気湯沸かし器問題。
電気湯沸かし器を僕らが使っているのは便利だからという理由だけじゃない。子供たちが小さいというのもあって、できるだけガスコンロの火を使わないようにしているというのもある。キッチンにベビーゲートはもちろんあるし、ベビーゲートが設置しやすい間取りの部屋を選んでいる。それに料理のときにはガスコンロの前から離れないようにしているので、ベビーゲートを開けられるようになった子供たちが入ってきても追い出すことができる。
しかし、お湯を沸かすということは、料理と頻度が違う。僕も妻も注意深い方じゃないから、何度もお湯を沸かしていたら、つい目を離してしまうことがあるかもしれない。そんなことを考えると、比較的安全な電気湯沸かし器にしたくなった。安全性ということでも選んでいる。
そういえば、保育園の主任も双子を育てているということだったけれど、あるあるネタのように、「お約束のように五徳で火傷しましたよ」と言っていた。僕らはまだ知らないお約束だった。
ガスコンロには、五徳がある。これが厄介な存在だ。火を使ったあと、鍋なりフライパンには気を付けるけれども、熱い五徳のことは忘れていることが多い。飲食店で働いているときにコンロの掃除をしようとして熱い五徳を握ったことは何度もある。大人なら熱いと思ったら手を離すが、子供はその逆をやってしまうことも多い。子供が小さいときにガスコンロを使うのは必要最低限にしたいと思った。
そんなことから我が家は電気湯沸かし器が必要だ。そして、50A必要だ。
だけれど、ここでは50Aはいらないと言われる。
4LDKもあったら50Aあってもいいと思うけれども、ここは名古屋。揉めに揉めないと工事なんてしてくれない。我慢するしかない。今まで誰からも文句がなかったと言われるのがオチだ。
今日も、湯沸かし器を使うときにはエアコンを消した。まあ、ちょっと気を使えばいいだけなんだし、電力の瞬間使用量を抑えるという意味では、40Aでいいのかもしれないけれども、やっぱり不便を感じて生活するのはストレスにもなる。最近、夏が憂鬱です。仕事部屋の移動式エアコンは排気も涼しくならない。昨年はそこそこ涼しかったのに、今は電気ばかり無駄につかう無用の長物になっている。こいつのことをきちんと調べた方がいいかもしれない。
