いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

ゲップに困る!(東京篇)<ミルクのあとのゲップですら個性がある>

「ミルクを飲んだ後にはトントントン」(長女1ヶ月)

 

困ったことがあった。

 

うちは母乳とミルクの混合で育児をしていたことは何度か書いた。父親にとってミルクをあげるという行為は面倒でありながらも、子の愛おしさを感じる瞬間でもある。哺乳瓶の煮沸やらミルクの準備の手際が良くなってきて、父親になってきた、とか思うこともある。

 

長女はミルクの飲みがとてもよかった。ぐいぐい飲む。飲みっぷりがいい。規定量だと足りないことも多かったので、少しだけ多めにすることも増えていた。

 

乳児が母乳を飲んだり、ミルクを飲んだりした後は、ゲップをさせてあげないと吐き戻しをする、というのを病院でも言われたし、育児書にも書いてある。ミルクをあげた後には抱っこして、肩に子供の顎が当たるくらいの位置で、背中を優しくトントントンと叩くと、ゲップが出る。たまに吐き戻しもある。

 

長女も最初の頃は、ゲップをしたり、吐き戻しをしたりしていた。肩あたりにミルクの吐き戻しがあったりして、濡れてしまうのはよくあることだ。育児の漫画なんかを読んでいてもたまにある場面。

 

長女の吐き戻しやゲップがなんだか可愛いものだから、トントントンとやるのも楽しくてどんどん慣れていった。妻よりも僕のトントントンの方がゲップもする。

 

あるときから、背中をトントントンとやってもゲップをしなくなってきた。かといって吐き戻しもしない。

 

育児は不安だ。特に、はじめての育児で、乳児となると、ささいなことで大慌てになる。兄弟が多かったり、育児に熱心なじいじ、ばあばが近くに住んでいる人たちなら、はじめての育児でも落ち着けるのかもしれないけれど、周りに頼れる人がいない育児はいつでも不安になる。

 

そんなときに病院や育児書、ネットなどで情報を探ることになる。

 

母乳やミルクを飲んだ後には、背中をトントントンとやってゲップをさせてあげる。だいたいこればかりだ。不安になると不安を助長する箇所しか読まないからなのか、トントントンとやってゲップをしないことに触れているのは見つけられなかった。トントントンとやってもゲップがでないのは、トントントンが下手だから、ということになってしまう。

 

僕はトントントンに自信を持っていた。僕のトントントンは長女のゲップを何度も誘発してきた。妻のトントントンは確かに僕よりは下手だ。妻がトントントンしてもゲップしないということで僕が変わってトントントンとすれば、あら不思議とゲップが出てきたことも何度もある。

 

僕のトントントンが劣化してしまったのかもしれない。調子に乗って惰性でトントントンをするようになってしまったのかもしれない。スランプかもしれない。こういうときこそ初心に戻ってトントントンするしかない。

 

トントントンに真剣に向かい合った。

 

それでも長女はゲップをしなかった。そして吐き戻しもなかった。

 

「ゲップの必要がなくなったんじゃない?」

 

僕のストイックとも思われるトントントン道を心配したのか、妻から言われた。何かがうまくいかないときに前提を疑うことは大事なことだ。

 

そう考えると、いくつか思い当たる。そもそもゲップをしたり吐き戻しをするには原因がある。ゲップの場合は母乳やミルクを飲む際に、一緒に空気も飲んでしまうからゲップが必要になるわけだ。炭酸をたくさん飲んでいる人がゲップをしたり、食べるのが下手な人がゲップをしたり、普段から口元が緩い人がゲップをしてしまうのは空気を吸っているのではなく、空気を食べてしまうからなんだろう。

 

吐き戻しにしても、その空気がゲップによって出されないことで胃が圧迫されてミルクを吐いてしまったり、急いで飲みすぎてしまって吐いてしまうこともある。大人だってそうだ。

 

つまり、長女がゲップも吐き戻しもしなくなったのは、二つほど考えられる。長女のミルクの飲み方がうまくなってきていることと、僕のミルクの上げ方が上達してきたこと。この二つは相乗効果が見込める。

 

長女と僕の共同作業がうまく行っているだけなのかもしれない。

 

長女のミルクを飲むスピードは相変わらず早かった。哺乳瓶の吸い口は月齢によってサイズが変わっていく。病院で相談すると、少し先の月齢の吸い口でもいいかもしれないということで、吸い口も調整していった。飲む勢いも早かったが、ピッタリと吸い口に張り付いているので空気が入る感じがなかった。僕は僕で飲み終わりをきちんと見定めて無駄に吸い込まないように調整するのがうまくなっていった。

 

こうなるとゲップをする必要がないことになるのかもしれない。

 

ミルクを飲むのがうまい子と、そうでない子がいる。長女はミルク飲みがうまかった。親バカ発言になるけれども、ミルク飲み界の天才だったのかもしれない。その後、次女三女にもミルクをあげて比較できるようになったが、次女三女はいつまでもゲップをしていた。ちなみに三女はプリンが上手く食べられない。

 

それぞれに個性がある。ゲップをしなくても吐き戻しがないならそんなに気にする必要はないのかもしれない。トントントンの腕に自信がある人は一度、子供のミルクのみの才能を見定めることをおすすめします。