いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

イヤイヤ期に困る!(主夫篇)<三人姉妹は三人とも違う>

「イヤイヤ期も子供によって違いがある」

 

困ったことがあった。

 

2歳あたりはイヤイヤ期というのがあって、何をするにもイヤイヤと言われ、あれやこれやと言ってきたり、同じことを繰り返し何度も何度も要求してくる。今は無理だよと言っても聞き分けがない。少し前までは聞き分けてくれたことでも、イヤイヤ期になると無敵だ。スーパーマリオというゲームでいうところのスターを取った状態だ。敵からしたら怖い存在。

 

長女のときには、イヤイヤ期というものがなかった。ずっと言うことを聞くいい子だったということとも違って、0歳からずっとよく泣く子でイヤイヤ期がなかったというよりも、いわゆる非定型発達と言われるもので、定型の育児指針とは少し違っていた。

 

双子の次女と三女は、育児書にあるような発達をしていた。これが定型というものかと、育児書などで挙げられている成長を遂げていた。育児あるあるも次女と三女だと経験できる。長女のことは少し繊細な問題もあるので、別に書くことにする。

 

次女と三女で、イヤイヤ期というものを知った。そして、双子でも成長にばらつきがあり、同時に起こることはあまりない。そ少しタイムラグがある。言葉を話したのは次女の方が早かったが、流暢に話すのは三女だったり、着替えなどを自分でしはじめたのは三女が先だったりする。運動もバラバラだ。

 

イヤイヤ期もバラバラに訪れた。

 

最初は次女だった。もともと三姉妹の中で大人しく、もっとも手がかからない次女。ご飯もあまりこぼさないし、長女と三女がおもちゃの取り合いをしていても、2人が飽きるのを待って1人で遊んでいたりする。ワガママもあまり言わないし、寝るときも率先して寝に行って、布団をかけてもらうのを待っている。きっと次女だけしか育ててなかったら、子育ては楽勝だと思っていただろう。たまに変なことをしていることもあるが、それは愛嬌だ。

 

次女のイヤイヤ期は派手だった。地面に寝っ転がって「いやだー」と叫ぶやつだ。突然、それが始まる。もともと頑固な性質もあるから、寝っ転がるとまず起きてくれない。「行かない!」と立ち止まったらテコでも動かない。公園のベンチに座って「いやだ」って言ったら、僕の姿が少し見えなくなっても動きもせず、泣きもしない。

 

そんな次女の派手なイヤイヤ期はたまにおかしかった。地面にゴロンとなって「いやー」と言って体をひねる、ひねっていたらゴロゴロして、そのうちそれが楽しくなってゴロゴロと移動する。笑ってる? と思って顔を見ると「いやー」と叫ぶ。その姿を見て、長女も三女も笑い出していた。

 

いつの間にか次女のイヤイヤ期は終わっていた。本人も「いやー」と言って笑い出すようになったあたりから終わった気がする。イヤイヤ期ってこんなもんなの? と育てやすい次女を基準に考えてしまうと育児が楽に見える。こういうときに、三女が定型発達でも育児が大変だということを教えてくれる。

 

三女のイヤイヤ期は大変だ。派手さはないけど、しつこい。ずっとイヤイヤいっている。何がどうしたいのかも分からない。叫びはしないけれども、静かに抵抗している。同じことを何度も繰り返している。

 

保育士さんからも三女のイヤイヤ期が強烈だという話を聞いた。次女のときには話題にもなっていなかった。三女のイヤイヤ期の話のときに、次女が少し前までイヤイヤ期でしたという話をしたら「そういえば、そうでしたね」という感じだった。

 

三女のイヤイヤ期は保育園でもトップクラスのようだ。

 

保育園では保育士さんのご指名が激しい。好きな保育士さんがいないと、ずっとその保育士さんの名前を呼んでいるそうだ。そしてその保育士さんが来てくれると、また別の好きな保育士さんの名前を呼んでいるらしい。面倒な客だ。

 

それはうちでも同じで、ママ、ママと言っていたと思えば、僕のことが好きとか言い出す。2人で相手をすれば、今度はあれが飲みたい、これが食べたいと言い始める。要望のお菓子をあげても「いらない」と言ってその辺に放り投げてしまう。

 

「うるさい!」

 

と少し声を荒げて言うと、静かになって涙を流している。申し訳ない気分になるから、謝って抱っこすると、また耳元で何かを繰り返してくる。精神にダメージを与えてくるタイプのイヤイヤ期だ。

 

姉妹でもイヤイヤ期は全く違う。双子でも違う。イヤイヤ期のあるなしもそうだけれども、同じイヤイヤ期でもこれだけ違う。保護者に与えるダメージの仕方も違う。物理系と精神系違いもある。

 

三姉妹の育児のおかげで、「育児はこうすればいい」とか「うちはこうした」とか安易に言わなくなった。「子供は個体差が大きいからねえ」と言うようになった。彼女たちからはいつも何かを教わっている。