いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

ハルヴァに困る!(ボストン編)<世界中で愛されているお菓子みたいだ>

「世界のスイーツに手を出した」(長女1歳5ヶ月)

 

困ったことがあった。

 

糖尿病による糖質制限から体重が激減し、血糖値も平均的なものになった。医者からは薬をやめていいと言われ、食事制限も緩和していいと言われた。食事制限に関しては、僕のあまりにも急激な変化に医者も心配になったようで、極端になりすぎないように注意されたくらいだった。

 

糖質制限、食事制限の結果、体重も血糖値も減ったけれども、イラつきと鬱っぽい症状に悩まされていた。そんなことから、妻から少しはあまい物を食べるように言われて、近所のWhole Foodsというスーパーマーケットに売っていたキャロットパウンドケーキを毎週買っていた。

 

パウンドケーキを一口大に切って1日1回食べていた。食べるタイミングは、外に出かける前。急激な血糖値の上昇を下げるために食べたあとは歩けるようにしていた。たまに、歩きながら口に入れたりもしていた。あれだ、昔の漫画などにあった食パンを加えて「遅刻遅刻ー」と走るような感じ。いささか行儀が悪いけれども、血糖値の急激な上昇は抑えられるのかもしれないとか思って、僕も歩きながら口に入れた。

 

期間限定だったのかキャロットケーキを見かけなくなった。その代わりに、もっと甘いケーキになってしまった。

 

甘いものはなによりも好きだったし、全盛期(フードファイターとかではありません)にはファミリーパックの甘味を一夜にして空にしていたとはいえ、アメリカの甘い物は甘すぎて胸焼けがする。ましてや糖質制限をしていた僕にとっては少しの甘味でも十分な甘さを感じる。

 

Whole Foodsは、アメリカのスーパーマーケットの中でも上品な部類で、エコバッグなどは日本へのお土産としても人気があるらしい。そこの食品は高いので、普段は牛乳などのような他店と値段がそう変わらないものや上品な甘さの甘味を買うくらいだった。それでも、やっぱり甘すぎた。

 

ちょうどいい甘味はないものか、といろいろなお店に顔を出していた。

 

住んでいるところから徒歩で1時間以上かかるところに、ロシア系のミニマーケットがあった。自転車で行くと多少遠回りもするので30分くらいかかる。そこに行ってみた。子供を連れていくには遠いので、妻に子供を任せられる日に運動がてら通うことにした。

 

最初は、ピクルスを探していた。近所のスーパーマーケットのピクルスはアメリカのピクスルで甘いだけだったり酸っぱいだけだったりして、僕には物足りない。以前、仕事でポーランドに行ったときに食べたピクルスが食べたかった。ロシア系のマーケットならそんなピクルスもあるだろうと思った。

 

ポーリッシュピクルスがたくさんあった。知り合いになったロシア人からおすすめのピクルスのメーカーも教えてもらい何度か買っていた。

 

店内をふらふら歩いていると、ロシア語で表記された甘味っぽいのがあった。裏には英語も書いてあったので読んでみると、食物繊維っぽいことが書いてあった。僕が求めていた甘味はこれじゃないか、と思って買ってみた。

 

「ハルヴァだ!」

 

妻が喜んでいた。妻も仕事であちこちに行っている。そのときに、ハルヴァをよく食べていたということだった。

 

ハルヴァを調べてみると、ロシアだけじゃなく、アフリカから中東、そしてロシアまで広い範囲で愛されているお菓子だった。一見、ひな祭りのときに見る菱餅っぽい感じもするし、乾いた感じは、落雁のようにも見える。落雁のように凝った意匠はない。

 

僕が買ったメーカーのは、プレーンとココアとピスタチオがあった。まずはプレーン。崩れやすいハルヴァを一口大に切り分けて口の中にいれる。粉っぽい感じと食物繊維らしい筋っぽい感じがある。甘さはそこまでじゃないけれども、甘い。

 

透明なケースの裏から見てみると、昔、歩道橋などのカバーにあったようなガラス繊維だったか忘れたけれども、あんな感じの筋のある模様がある気もした。

 

最初に食べたときには、少し違和感があった。変な匂いもないし、口当たりは筋っばった感じもしない。少しパサパサした感じが気になるくらいだ。

 

毎日食べていたら、違和感はなくなって、僕の糖質摂取にちょうどいいお菓子になった。一欠片しか食べないけれど、いろいろな味を試すようになった。なんだかんだと最終的にはプレーンになる。

 

ハルヴァで困ったことは、僕にとっては貴重な糖質なんだけれども、妻にしてみたら思い出のお菓子。気がついたらなくなっていることがある。