いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

おまるで困る!(主夫篇)<幼児三人のおトイレ事情>

「同時は無理だと思うけど、時間差も厳しい」

 

困ったことがあった。

 

おまるで困る! とタイトルに挙げてみたら、その切実な悩みと裏腹に、語呂だけは良くなってしまった。日頃、大したこともないことで困った困ったと思っている僕の困りごとが大したことないのは薄々気がついているし、書きながらそんなに困ってなさそうだな、と思うこともある。本当に困っている人は、何も言わず、じっと耐えているのだろう。

 

とはいえ、毎日困っていると書き続けている僕もやっぱり困っている。

 

3人の育児は通りすがりの人からも「大変ねえ」などと同情の声をかけられることがある。確かに大変なことも多い。いまは、4歳と2歳双子ということもあり、2歳と乳児双子のときよりは大変じゃなくなっているし、睡眠も取れるようになってきたし、2年前に比べれば体力的にも精神的にも大変じゃない。

 

2年前はブログを書くという気力すら起きなかった。気がついたら1週間が過ぎている、そんな日々だった。

 

いまも、気がついたら1週間が過ぎている。ただ、困ったこともありながらも、そんな些細なことで困っている自分自身を思い出して笑えるような感じで1週間が過ぎている。だからブログもやれるようになった。

 

保育園のお迎えは主に僕の担当だ。いまは保育園も徒歩5分で、3人とも同じ保育園。それに、保育園のルールや取り決めが3人の幼児を抱えているとできないことが多いため、いろいろと交渉に交渉を重ね、最近ではとてもやりやすくなった。

 

保育園の帰り道も、3人の子供たちは元気に歩いている。元気すぎて大変なことがあるし、誰かが転んで泣いていると思ったら、誰かがどっかに行ってしまったりと、たまにキツイけれども、歩いて5分以内であればだいたいどうにでもなる。

 

保育園から戻ってきて困ることがある。3人の手洗いも混雑するし、靴を脱いで着替えるのもそれなりに大変だ。しかし、これもまだどうにかなる。

 

困るのはトイレだ。

 

うちにはおまるが一つと補助便座が一つある。上の子にはそろそろ補助便座を使って欲しいと思うけれども、冬の間は寒かったりなんなりしたので、おまるの方がいいらしい。それに、上の子が補助便座を使うと、それが羨ましいのか、次女と三女がトイレの前で順番待ちになる。

 

「待ってて!」

 

などと言って待ってくれる人たちじゃない。なんでもマセている三女がオムツを脱ぎ始め、三女の真似をする次女がそれに続く、オムツに排泄物があるときは目も当てられない。トイレの前は惨事だ(三児とかけたわけじゃない)。

 

そんなことから、保育園から戻るとおまるになることが多い。2歳の双子たちは保育園でも驚かれるくらいトイレへの意識が高い。オムツにそのまますればいいのに、丁寧にオムツをおろして、「おしっこ」と言ってくる。

 

長女はトイレが苦手ということもあって、なかなか一人ではできない。2歳下の三女の方がテキパキしている。同じ家庭で同じ方針で育てていても、子供によって全く違うものだ。

 

冬になってくると、トイレが近くなるということもあってか、保育園から5分で着くにもかかわらず、尿意が限界になっていることがある。

 

長女がおまるで用を足している横で、三女がオムツを脱ぐ、長女はなかなか終わらない。三女がその場でお漏らしをしてしまうこともある。もちろん、そのことは想定されているので、オムツを脱がさないように声もかけて、三女のオムツを手で押さえたりする。そうしている間に、長女のトイレが終わって、紙で拭いたりしているときに、次女がおまるを覗いている。手を突っ込んでしまうんじゃないか、と思って、長女と三女で両手が塞がっているため、次女を足とか頭とかで押しておまるから遠ざける。

 

たまに僕の足とかがおまるに当たって、おまるから長女のおしっこがこぼれることもある。

 

おまるはそのままにしておけない。おまるの受け皿を取り出し、トイレに捨てに行く。その間に、おまる本体に次女がまたがっているのはよくあることだ。トイレに受け皿の中身を出して濯いで戻ってくるのは時間との戦いでもある。

 

間に合わないこともある。「待ってて」と言っても、オムツを抑えても、無理なことは無理。そして毎度のことにイラつきもする。しかし、ここで怒ってしまうと、せっかくおまるで用を足そうとしている次女の気持ちを踏み躙ることにもなる。笑顔で柔らかい声で「だから待っててって言ってるのに」と言うけれども、イラつきは伝わっているだろう。

 

次女がおまる本体に用を足す。そして三女がスタンバイだ。長女の着替えを手伝いながら、次女が用を足すのを見守り、三女の動向を抑える。三女もどうやらオムツを脱ごうとしている。

 

次女が少しだけのおしっこをする。それを見ながら、オムツにしてくれればいいのにと思って、次女を拭き、オムツを交換する。そして、おまる本体を洗面台に持っていきつつ、三女をトイレに連れて行く。三女はおまるで用を足したかったからなのか泣き出す。かといって、おまる本体は濯いだりするのも急ぐと失敗して、僕の服まで濡れてしまったり、洗面台あたりがびしょ濡れになる。そのびしょ濡れになった場所を誰かが踏むのは確実だ。

 

三女をトイレに連れて、補助便座を装着する。補助便座もおまるもアンパンマンだ。アンパンマン好きの三女はおまるのアンパンマンの方が好きだけれども、補助便座のアンパンマンも嫌いじゃない。補助便座を出すと意味を理解したのか泣き止み、トイレに腰掛ける。そして、トイレの前には、次女がまたオムツをおろしてスタンバイしている。長女は、今度はおしっこじゃない方がしたくなったみたいで、お腹が痛いと言い出した。

 

三女からは何もでなかった。そして紙で拭き、オムツを履かせて、次女のオムツを脱がして補助便座に乗せる。そして何もでないのを見届けてまたオムツを履かせて、今度は長女を補助便座に促すと、寒いとか言われる。急いでおまるを洗って、僕のズボンが濡れる。

 

そして長女が用を足す間、僕は長女の手を握る。がんばれがんばれ、とアンパンマンの真似をする。三女がおまるを覗きにくる。このままおまるの無限地獄に落ちたんじゃないか、そういえば、ギリシア神話にこんなのがあるなあとか思っている。

 

これは困っているのか、もう面白くなっているのか分からない。僕だってトイレに行きたい。