いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

搾乳機で困る!(東京篇)<授乳を分担するには搾乳器が必要だと思った>

「手動の搾乳機は難しいと思う」(長女3週間)

 

困ったことがあった。

 

家事や育児の分担は各家庭の事情や環境でも変わってくるだろうし、それぞれの向き不向きや好き嫌いなどでも変わるだろうから、一概に、どっちがどれをすればいいというのは決めることはできない。

 

僕らはお互いの得意不得意などを基本にして分担を決めていた。家事にしても育児にしても、楽しくやれるものもある。全部楽しくない! という人もいるかもしれないけれども、僕らは、やや得意、やや苦手くらいの範囲で分担を決めていた。

 

料理に関しては妻の方が得意だったけれども、買い物から食材管理、片付けなども含めて料理と考えた場合は、僕がやった方がいいだろう、ということで僕が料理担当になったりした。こんな感じで話し合いや全体の家事の流れをみて決めていった。

 

育児の分担はなかなか難しい。

 

産後の肥立ちという言葉があるように、妻は産後の疲弊から徐々に回復していくといっても、それは回復できる環境があればこそだ。産後にワンオペばかりだったら回復するものも回復しない。とにかくよく寝て、よく食べてもらわないといけない。

 

せめて産後の一ヶ月は床上げしないくらいに、家事から育児は僕が全部やろうと決めていた。しかし、なかなかそうも行かない。こういうときに限って断ることが難しい仕事があったり、職場での理解が得られないということもある。そんな仕事やめちまえ、そんな職場はやめちまえ、というのもあるけれども、産後の肥立ちに理解してくれる人は経産婦がいる職場でもなかなかいない。

 

僕は産後2週間で仕事をしていた。フルタイムの仕事ではないので、できるだけ育児をし、ミルク瓶の煮沸や汚れ物の処理などは毎日していたし、妻の食事は毎食用意していた。それでも足りない。

 

まずどうしても僕にできないのが、授乳だ。完母ではなく、ミルク混合で行っていたけれども、妻としてはできる限り母乳をあげたいというのがあった。

 

出産の時に、妻と同室だった人に実母が訪ねてきたらしく話しているのが聞こえた。

 

「泣いていたら母乳をあげればいいのよ」

 

「うるさい、私は母乳の出が悪いの!」

 

なかなか迫力のあるやりとりだった。そのあと、その方と妻は仲良くなって、いまでも連絡を取り合っている。

 

母乳の出にしても人それぞれだろう。病院によってはスパルタ式で母乳を出させるそうだけれども、妻のいた病院はそんなこともなく、無理せずに行きましょうという感じだった。

 

とはいえ、妻は母乳があげたい。母乳を定期的に出さないと乳腺炎にもなるということもあって、授乳は妻のためにもいいということだった。そして、授乳のためには数時間おきに体がしんどくても、眠くても起きなくてはならない。これはたいへんなことだ。

 

できるだけ授乳を減らすことはできないものかと思った。3時間おきの授乳も2回スキップできれば、9時間は休めるはずだ。仕事をしていたとしても産後じゃない僕の体力であれば3時間おきにミルクをあげることくらいは頑張れる。12時間だって大丈夫だ。

 

目標は妻に12時間の育児フリーの時間を作ることだ。

 

授乳。いつもここに戻る。これさえクリアできれば、もっと休める。

 

搾乳機というのがある。自動と手動があって、自動はそこそこ高いし、なんだか自動で吸引されるのは怖いような気もする。妻も自動ではなく手動でやってみたいということで、手動の搾乳機を買ってきた。

 

妻は不器用だ。上手くいかなかった。僕がためしてみることにした。もちろん、僕の胸で試しても何もでないので、妻の胸に搾乳機を当ててやってみた。僕も不器用だった。

 

搾乳機の扱いはなかなか上手く行かない。自動を買おうか? と妻に提案したけれども、妻も搾乳機自体があまり合わないかもしれないということでそのときは利用しなかった。

 

その後も試行錯誤したけれども、なかなか上手く行かず、結局、妻は乳腺炎になった。僕はオロオロするばかりだった。僕の期間限定の仕事も終わっていたので、そのあとは育児に全力を注いだ。搾乳機は難しいので、マッサージなどを教えてもらってしこりを見つけてはほぐす担当になった。これはできた。

 

母乳とミルク混合だと育児の分担もしやすいし、産後の肥立ちもよくなる。しかし、乳腺炎は気をつけなければならない。手動の搾乳機は不器用だと上手く行かないこともある。器用な人であれば上手くいくのかもしれない。

 

二年後、双子のときには、自動搾乳機を使った。何の問題もなく搾乳できた。長女のときも自動搾乳機にしておけば良かったと思う。