いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

物件選びに困る!(再東京篇)<不動産屋さんも困る双子のベビーカー>

「双子乳児ベビーカーは大きい」(長女2歳6ヶ月、双子5ヶ月)

 

困ったことがあった。

 

日本に戻ってきて、しばらくはレトロなエアビに滞在していた。その後、11ヶ月ほど東京滞在になるため、新たに賃貸を探した。

 

目ぼしい場所をネットで検索し、保育園が決まっていたわけではないけれども、だいたいの目星をつけながら、保育園が比較的多そうな場所を重点的に探していた。

 

地図を見ながら思ったのは、同じ市内といえども歩くと広い。端の方に住んで、真逆の端の保育園に通うのは車でもあれば可能かもしれないけれども、車もないままベビーカーを毎日押して通うのは難しい。まだ保育園も決まっていなかった。

 

帰国したてや、乳幼児を抱えていると、市役所に行く用事は多い。それに駅も近ければちょっとした用事をこなすのも便利。そんなことから、市役所と駅が徒歩15分くらいにあるところを探すことにした。

 

乳幼児を抱えながら引越を考えている人は役所の近くがおすすめです。それは手続きとかだけじゃなく、乳幼児のイベントを開いている会場も役所に比較的近いことが多いし、双子の乳児であればなおのこと行政のサポートが必要になるから、役所の近くは便利だと思う。

 

物件を探し始めた。

 

最初の落とし穴は、双子のベビーカーを押しながら不動産屋さんに入ることは困難ということだった。電話でエレベーターがあるとか、大きなベビーカーも店内に入れると言われていても、エレベーターホールに入る前に、三段ほどの階段があったり、雑居ビルの場合、エレベーターが狭くて大きなベビーカーを入れてしまうと大人が入れなかったり、入り口でつっかえたり、エレベーターを出たところに荷物が積んであって、結局店内に入れなかったりする。

 

そんなことから、不動産屋さんには僕ひとりで行くようになった。

 

いくつかの物件を見学した。部屋は条件を満たしていても、建物の入り口やエレベーターで大型のベビーカーが入れない場所が多かった。

 

僕らのベビーカーがアメリカ仕様で大きいという問題がある。小さい双子用のベビーカーもあるけれども、それはもう少し月齢がいかないと使えない。大きいベビーカーなのは、コットとでもいうのか、小さなベッドのようなものが付けられるタイプだからで、しかも双子だから2個ついている。縦型のもあるけれども、操作のしやすさなどから並列のものにしていた。日本の住環境を考えていなかった。

 

エレベーターに入るときにベッドを外せば乗れないこともない。しかし、それを毎回やるのか? 数ヶ月の辛抱だとしてもちょっとつらい。

 

近所を散歩してみた。

 

敷地が広く、子連れにも優しい物件があった。エレベーターホールまでのスロープがあって、エレベーターも広い。これなら問題ない。UR住宅だった。

 

連絡先が書いてあったので電話してみた。ベビーカーの話もしておいた。すると、ベビーカーの大きさも測りたいのでベビーカーで来店できるか、と聞かれた。ベビーカーを採寸して、その物件の他の場所が通れるかとか、そういうことも調べてくれるということだった。

 

神対応ってこういうことかと思った。

 

来店すると、入るときに少し段差があったけれど、あちらも想定済みだったらしくすぐ手伝ってくれた。店内の入り口もぎりぎり入れた。ベビーカーを採寸して、僕らの希望の建物の図面を見てくれた。

 

「どうにかいけそうですね。手すりとかがついている箇所は手すりの高さが表記されていないため、現地にいかないと分からないので、あとは現地で測ります!」

 

快活で素晴らしい担当者だった。仲良くなって話すと立ち飲み屋が好きだと言うことで、近くの駅のおすすめの飲み屋を聞いておいた。数駅離れた駅の立ち飲み街がいいらしい。

 

あとはとんとん拍子で、現地見学も気になる箇所は率先して計測してくれた。内覧は三ヶ所ほどだったけれども、台所の位置やベビーゲートなどの設置を想定したアドバイスもしてくれたため、こちらも判断がしやすく、その場で決めることができた。

 

これぞ日本のサービス精神だ、と感動していた。アメリカの不動産屋さんは個性的だし、感情丸出しで面白いけれども、このような献身的なサービスをする人に会うことはまずない。献身的なことがいいことか悪いことかは分からないけど、僕はこの担当者さんのファンになった。

 

その後、11ヶ月弱、ほとんど不便を感じることなく、快適に過ごした。東京を去る前に挨拶に行こうと思っていたのに、バタバタして忘れてしまった。この場を借りてありがとうございましたと伝わるわけもないのに感謝してみる。