いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

説明に困る!(再東京篇)<はじめてのアンパンマンとあんこについて>

「娘のアンパンマン」(長女2歳5ヶ月、双子4ヶ月)

 

困ったことがあった。

 

アメリカを出るときに子供たちのおもちゃは最低限しか持ってくることができなかった。数日で到着する航空便にも少しは入れていたが、おもちゃの大半は船便だった。日本に着いて数日もすればお気に入りのおもちゃだけでは限界もくる。新しいおもちゃが必要になった。

 

妻と長女が買い物から戻ってくると、長女はアンパンマンのブロックを持っていた。アンパンマンのことを娘は知らない。アニメや絵本よりも先にアンパンマンのオモチャだった。

 

アンパンマン知ってるの?」

 

「アンパンパン?」

 

という会話を皮切りに、僕が知っているだけのアンパンマン知識を披露した。アンパンマンの歌を歌おうとしたら、「あん、あん、あん、とっても大好き」と浮かんで、違うキャラクターだったと気がついた。アンパンにどら焼き、どちらもあんこ。長女は、あんこを食べたことがない。

 

あんこの説明をしなければならないのだろう。子供の頃、母がおはぎを作るために買ってきたあんこを食べてしまったことがあった。夜中にお腹が痛くなった。ベリーハングリーキャタピラーのようだった。「はらぺこあおむし」で知られる絵本を僕は知らなかった。子供が産まれてからはじめて読んだ。

 

はらぺこあおむしって、いい環境に育ったボンボンみたいだよね」

 

「そんな感想初めて聞いたよ」

 

妻とはそんな会話をした。「はらぺこあおむし」でさえ、子供の頃から親しんでいないと拗ねた読み方をしてしまう。アンパンマンのこともよく知らないし、子供の頃に見ていたわけではないけれども、アンパンマンにひねくれた解釈をする大人になって欲しくはない。きちんとアンパンマンの魅力を説明しなければならないのに、肝心のあんこの説明ができない。娘はチョコレートが好きだ。

 

アンパンマンはね、チョコレートなんだよ」

 

ちょうどいい具合に、コンビニにはアンパンマンのチョコレートが売っていた。アンパンなのにチョコレートになっていることをアンパンマンはどういう気持ちで受け止めているのか分からない。バイキンマンドキンちゃんも赤ちゃんマンもメロンパンナちゃんもチョコレートになっているんだから、アンパンマンもそういう小さなことには気にしていないのかもしれない。

 

アンパンマンの説明は意外と難しい。百聞は一見にしかずということで、スマホで動画を見せた。その後も僕のアンパンマン教育は進み、テレビを買ったあともビデオに撮って見せ続けた。娘はアンパンマンのシャツ、靴など全身がアンパンマンになって、保育園では「アンパンマンの人」枠になった。そしてよくあることだと思うけれども、娘はアンパンマンではなくバイキンマンが好きになり、バイキンマン一派のコキンちゃんが好きになった。

 

タイムボカンシリーズでも悪役が魅力的だった。バイキンマンの創意工夫はあの三人組を思わせる。「やられてもやられてもなんともないない」という歌は小学生の頃大好きだった。バイキンマン一派が好きになるのは、まっすぐなアンパンマン教育だと信じている。

 

突然現在の話になるけれども、風呂から出た娘がジャムおじさんのブロック人形を手に持って「夜のバイキンマン」と言っていた。どういうことなのか分からない。娘はアンパンもあんこも食べてくれない。アンパンマンのチョコパンを食べている。