いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

大豆に困る!(ボストン篇)<食事制限で減量20kg以上! そして歯がボロボロ>

「歯がおかしい」(長女10ヶ月)

 

困ったことがあった。

 

僕は糖尿病だ。ボストンに来て、専門の看護師さんと改善のための計画を立てた。看護師さんは僕の体型や年齢から、糖尿病になるなんて!って驚いていた。日本人から見れば僕はそれなりに恰幅がいいと言われるくらいには太っていたけれど、アメリカでよく見る巨漢たちと比べたら、確かにスリム。日本でも角界にいたら、僕は具合の悪い人だと思われるようなものだ。

 

「アジア人は太りすぎる前に糖尿病になるんだった」

 

そんなことを言っていた。太るにも持って生まれた体質が必要みたい。アメリカの太っているの基準はおおらかだし、太り過ぎとまでいくと想像もつかない状態なんだろう。

 

食事制限と薬で改善させていくことになった。僕はチョコレートが好きなので、最初にチョコレートはどのくらい食べてもいいか聞いたら、一欠片くらいは構わないとのこと、ビールは? 2本くらいいいよ、あれはこれは、と聞いていると結構平気だった。これもアメリカ人感覚の食事制限なのかもしれない。いろいろ話すと、日本人は食事について詳しいよね、と妙な関心のされ方をした。和食に興味があるって言っていた。

 

その日から、僕の本格的な食事制限がはじまった。運動らしい運動はしていないけれども、毎日に子供を連れて公園に行ったり、買い物に行ったりしていた。特別はことは何も、ってやつだ。

 

結果は、5ヶ月で、血糖値は普通の人くらいになり、体重は20kg以上減った。減りすぎた。

 

レコーディングダイエットというらしいけど、毎日、空腹時、食後と血糖値を測り、体重もこまめに記録した。どんどん血糖値も体重も下がっていくから、ギャンブルに熱中する人のように、もっとだ、もっと! と倍々ゲームのように楽しんでいた。体重は減ったが、減った分だけ疲れていた。朝起きると疲れていた。看護師さんと医師からは、薬はもういらないし、食事制限も緩めていいとのことだった。

 

糖尿病は改善したし、体重も減った。なのにツラい。もう、これ以上、血糖値も体重も落とせないことがツラいのか、またはたんに何かが不足していてツラいのか。

 

食事制限のとき、僕は大豆ばかり食べていた。乾燥した大豆を一晩つけておく、そしてそれをボリボリ食べる。そのときはチョコレートもカカオ90%のものを1日一欠片しか食べてなかった。

 

ふらふらして、洗面台の鏡を見ると、歯がボロボロになっていた。どういうことなんだろう。虫歯という感じでもないのに、歯がボロボロ。髭を生やしていたから肌は分からないけれど、なんだかカサカサしているような気がした。

 

歯医者に行ってみた。保険適用外だから、診察するだけで300ドルかかると言われた。歯医者さんにバイバイしてハバナイスディだった。

 

ネットで調べてみると、大豆を食べると、分解する際になんだかその歯とか肌とかその辺の何かを何かしてしまうようで、食べすぎるとボロボロになるということだった。

 

なんてこった。豆腐に醤油かけたのをおかずに茹でた大豆を食べていた。お肉と野菜も食べていたけれども圧倒的な大豆。

 

「甘いものが好きだった頃は、そんなにイライラしてなかったよ。いつも笑ってたのに」

 

妻から言われた。大豆人間になってからはイライラしていた。大豆はやめた。妻の勧めもあって、毎日一切れパウンドケーキを食べるようにした。そして、主食はローカルなパン屋さんが作ってる豚が空飛ぶ絵柄のロカボパン。

 

朝起きても疲れてない。体重は少し戻ったけれども、血糖値は安定していた。そして、歯も元に戻っていた。イライラもおさまり、毎日娘のことを可愛いと言うようになった。

 

歯医者さんに300ドル払わなくてよかった。妻に300ドル払うべきかどうか、これは意見が分かれるところだろう。