いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

故障中で困る!(ボストン篇)<地下鉄のエレベーターは何年も故障中>

「駅のエレベーター」(長女6ヶ月)

 

困ったことがあった。

 

乳幼児を連れて出かけるのは大変だ。公共交通機関であればなおさらだ。抱っこ紐のときはどうにかなるけれども、ベビーカー(アメリカではストローラーと言わないと通じない)を使うとなると面倒になる。

 

うちのベビーカーは日本で見たらゴツいタイプになるバギータイプというもので、乳児用のチャイルドシートもつけられるものだった。とにかくデカい。

 

オレンジライン(オレンジ線)という電車に乗っていたときに、乗り合わせた子連れの乗客とベビーカーのことで話していると、

 

「バギータイプにした方がいい」

 

と言われたからなんだけど、それには理由がある。ボストンの歩道はとにかく凸凹。そして北の方の都市ということもあり雪も多い。ボストンの悪路についての歌があるくらいだ。

 

そんなことから、うちのベビーカーはゴツい。

 

ゴツいベビーカーで電車に乗る。日本だと車内で迷惑がられることが問題になるみたいだけれども、アメリカでベビーカーを、というより、乳幼児を連れている人に文句を言ったり、迷惑がったりしたら、場合によっては周りの乗客から猛反発される。

 

「日本だとベビーカーで電車に乗るのが迷惑だと思われる」

 

という話を、図書館の無料英語セミナーみたいなところで話したら、最初は意味が通じなかった。もちろん、僕の拙い英語というのもあるんだけど、理解されると、さまざまな国から人が集まっているにも関わらず、日本おかしいということで僕が怒られた。謝った。

 

南米の人からもアフリカの人からもヨーロッパの人からも、日本やべえみたいな反応だった。ベビーカーを迷惑がる場合は心で思うくらいにしておけ、ということかもしれない。実際、アメリカでも迷惑そうな雰囲気を出している人いる。

 

ベビーカーが迷惑か迷惑じゃないかは、人それぞれだと思うし、その日の体調や機嫌の良し悪しもあるだろうから、優しい人に会えたら嬉しいし、嫌な人にあったら嫌だなあという違いかもしれない。文化の違いも多少あるけど、文化によって優しい人、嫌な人の基準も若干違うだろう。

 

他の文化に触れることができるのは色々考えさせられる。優しい気持ちになれるものであれば取り入れていきたい。

 

ベビーカーで電車に乗るときには、どこにエレベーターがあるのか、ということをまず調べる。あとで仲良くなったアメリカ人の知り合いは、ベビーカーが通れるかどうかも下見するとのことだった。彼女のベビーカーは二人乗りのバギータイプだった。

 

僕たちはまだアメリカに来て日が浅いものだから、ネットなどで乗り換え情報を調べて、ここで乗り換えて、ここで降りよう、と目星をつけてルートを決めた。

 

ボストンの中心あたりにある、ダウンタウンクロッシングといういくつかの路線が交わる駅がある。ここで乗り換えればエレベーターがある。

 

エレベーターは故障中だった。

 

故障中やメンテナンス中などはしかたないことで、運が悪かったと諦めるしかない。バギータイプで大変だけれども、えっさほいさと階段から運んだ。

 

ボストン滞在の二年間、ずっと故障中だった。

 

後で知ったけれど、僕たちが来る二年前から故障中らしい。足し算すると四年以上は故障中。

 

アメリカ、すごい。

 

このエレベーターの故障の話をすると、日本人は怪訝な顔をする。僕に文句を言う人はさすがにいないけど、文句言われたらどうしよう。故障に対して何のアプローチもしなかったし、諦めてその状態を許容していたとも考えられるから、謝った方がいいような気もする。

 

アメリカはエレベーターが数年間故障している代わりに、通りすがりの人が手伝ってくれる。日本だと助けてくれる人はあまりいなくても故障はすぐ直っている。