いつも困っている

家事と育児(三人姉妹で二人は双子)に対峙する男の日々

糖尿病で困る!(主夫篇)<食事を見直すと料理をすることになる>

「血糖値250」

 

困ったことがあった。

 

僕は子供の頃から甘党だった。おやつはないからティッシュに包んだ角砂糖をポケットに入れてこっそり食べるくらい甘党だった。

 

16歳のときにバイトして初めて買ったのは、大きなカップアイス。大人になってからも毎日のように板チョコを食べて、コンビニスイーツは黎明期から愛していた。そんなスイーツたちが改良に改良を重ねてとってもおいしそうになったというのに、糖尿病の僕はもう食べることができない。

 

路上で活動していたときから応援していた歌手がメジャーになって遠い存在になったような気持ちってこんな感じかもしれない。

 

結婚してからも、お気に入りだったアイスと和菓子や洋菓子のアソートを毎日食べていた。心配された。とはいえ、何十年もやっていたことだから、心配されてもなあって感じだった。少し太ってはいたけれども、少し太っているくらいが体力も充実しているとか言って、連日の徹夜仕事も平気でやっていた。

 

たまに受けていた健康診断では血糖値が高めくらいだったのでとくに気にしなかった。健康診断の前日でも甘いものを食べていたから血糖値も高くなっているだけだと思っていた。

 

フケが多く出てきて、目の奥が痛くなった。

 

妻から人間ドッグに行った方がいいと言われた。体の不調も感じていたから素直にしたがった。

 

「空腹時の血糖値が250超えていますね。糖尿病ですね」

 

その前に受けた健康診断の数値を軽く上回っていた。そして糖尿病。幸い痛みを感じていた眼底にしても損傷はなく、高血圧でもない、合併症はない、ということだった。

 

そのあと糖尿病の専門のところに行って、薬と食事制限をするように言われた。

 

素直に従った。お菓子はやめた。

 

お菓子をやめて、血糖値が急激に上がりやすい食べ物もやめた。本格的に取り組むのはアメリカに行ってからになるけれども、渡米前にお菓子はやめた。コーヒーに砂糖を入れるのもやめてミルクだけにした。

 

ある人から、糖尿病は1型も2型も遺伝だと言われた。2型だと生活習慣が悪いから、つまり、甘い物や血糖値が上がり安いものを食べすぎるからだ、と言われるけれども、そもそも糖尿病に遺伝的になりにくい人は甘党生活習慣でも平気らしい。

 

とはいえ生活習慣はもちろん関係する。遺伝的に糖尿病になりやすい人はやっぱり生活習慣で2型糖尿病になる。

 

生活習慣を見直すとなると、なんだか大変そうな気もする。どんな食べ物がいいのか調べてみた。そうしたら、これも作ってみよう、あれも作ってみよう、ということになって、結局、料理のレパートリーだけでなく、方向性みたいなものができた。

 

僕の料理は極力血糖値の急激な上昇を抑える料理。野菜がたくさん入っている。野菜なんか食べねえ、とか思っていたけど、自分で料理してみたら、苦手な野菜の料理もいろいろ工夫するようになった。

 

工夫と言ってもごく初歩的なもので、苦手な人参はできるだけ薄くして、よく焼いたり、煮たりするとか、そんな程度。でも、これが野菜嫌いな人が野菜を食べるときにはハードルを下げることになる。

 

糖尿病になったら、料理が楽しくなった。僕の料理もコンビニスイーツに負けないくらい成長していると思う。